●五濁悪世

読み(ひらがな)

ごじょく あくせ

意味

世の中に5つの濁りがあらわれて、わざわいの起こる悪い時代。

解説

四劫という長い時間の中で、世の中の退廃が始まる時(劫濁)に、次の四つの汚れが現れ、 世の中にわざわいが起こるということを示したことばのようです。 四つの汚れとは、@見濁=多くの人が誤った考えや思想を持つようになること。 A煩悩濁=人々の間に貪りや怒りなどが満ちあふれること。B衆生濁=人々の性格が悪くなり精進しなくなること。 C命濁=人々の命の長さが短くなること。のようです。この四字熟語は、仏教のことばで、世界が安定している 住劫という長い時間の中で、世の中が乱れ汚れてしまうようすを説明したことばで、 末法の世を意味するという考え方もあるようです。

重要語の意味

五=5つの。  濁=にごる。けがれる。みだれる。おとろえる。  悪=わるいこと。わざわい。  世=よ。よのなか。時代。  五濁=「ごじょく」と読み、世の中の退廃が進む時(劫濁)に起こる4つの汚れ。見濁、煩悩濁、衆生濁、命濁。  劫濁=「こうじょく」と読み、時代のけがれ。  見濁=「けんじょく」と読み、多くの人が誤った思想を持つようになること。  煩悩濁=「ぼんのうじょく」と読み、人々に貪りや怒や愚痴などが満ちあふれること。  衆生濁=「しゅじょうじょく」と読み、人々の性格が悪くなること。  命濁=「みょうじょく」と読み、寿命が短くなること。  濁り=「にごり」と読み、清らかさや正しさがなくなること。  わざわい=病気や天災、盗みや争いなどの人を不幸にする出来事。  四劫=「しこう」と読み、ひとつの世界の形成から次の世界の形成が始まる前までの変化を4つに分けたもの。成劫、住劫、壊劫、空劫。  成劫=「じょうこう」と読み、世界の形成が始まる時。  住劫=「じゅうこう」と読み、形成が終わり世の中が安定している時、人が生活できる時。  壊劫=「えこう」と読み、世界の破壊が始まる時。  空劫=「くうこう」と読み、何もない時。  退廃=「たいはい」と読み、道徳や健全な気風がすたれ乱れること。  汚れ=「けがれ」と読み、正しさ清らかさがなくなること。  精進=「しょうじん」と読み、よいことを努力して行うこと。  末法=「まっぽう」と読み、正しい修行がすたれ悟りを得る者がなくなり仏法が衰えてしまう時。 

いわれ(歴史)と重要度

法華経・方便品。    維摩経。   重要度=☆       難易度=難しい

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五濁悪世


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