●賽の河原
読み(ひらがな)さいの かわら。 |
意味どんなに努力をしても、むだになってしまうことのたとえ。 |
解説賽の河原は、民間信仰である死後の世界のようすを言ったものです。 賽の河原は、冥途へ行く途中にあり、三途の川の手前にある河原です。 もとは、仏教の地蔵信仰と民間の塞の神とがいっしょになった民間信仰です。 賽の河原では、小石を積んで地蔵菩薩を供養し、自分の罪を軽くして、 三途の川を渡るという考え方をするようです。また、俗信では、 若くして命を落とした子供が、この河原で石を積みますが、鬼が来て、 積んだ石をくずしてしまいます。しかし地蔵菩薩が鬼を追い払ってくれますが、 また鬼が来て石をくずしてしまいます。この俗信の中にある、石を積んでも鬼が それをくずしてしまうことを「むだな努力」と言いかえて伝わったのだと思います。 |
重要語の意味賽=「さい」と読み、さいころ。むくいる。神より福を受けたことにお礼をし祈ること。 河原=「かわら」と読み、川の近くにあって水が流れていないで砂や石がある所。 努力=「どりょく」と読み、ある目的のために一生懸命に行うこと。 民間信仰=「みんかんしんこう」と読み、民衆の間に古くから伝わる慣習のようなもの。俗信が多い。 冥途=「めいど」と読み、死者が行く暗黒の世界。冥土。あの世。 三途の川=「さんずのかわ」と読み、人が死んだ後、冥途に行くために渡らなければならない川。 地蔵信仰=「じぞうしんこう」と読み、中国の唐と宋の時代に栄えた信仰。地蔵菩薩を救い主として道教の十王思想との 結合によって堕地獄を恐れる民衆の間で広まった信仰。 塞の神=「さえのかみ」と読み、村などの境にあって外からくる悪いものを防ぐ神。道祖神。 供養=「くよう」と読み、仏や菩薩に経を読んだり物を供えたりして善いことを差し向けること。 罪=「つみ」と読み、道徳的にしてはならないこと。悪い行い。親より先立つこと。 渡る=「わたる」と読み、人が川などを横切って向こう側へ行く。 俗信=「ぞくしん」と読み、民間に伝わる迷信的な信仰。 鬼=「おに」と読み、賽の河原にいる地獄の番人。獄卒。 堕地獄=「だじごく」と読み、地獄に堕ちること。 迷信=「めいしん」と読み、誤った信仰。仏教などの真理に合わないことを信じること。 |
いわれ(歴史)と重要度地蔵和讃。 重要度=☆☆☆ 難易度=ふつう |